令和4年度の測量士補に独学で合格しました。
そのとき参考にした書籍・サイト・勉強を継続する方法などをまとめています。
業界未経験の初学者でもなんとかなりました。
この記事で
- 測量士補は独学で合格できるのか
- 勉強法やオススメの書籍・動画等の紹介
- 通信講座を受けるか考えている
こんな悩みをもった方の力添えになればと思います。
測量は専門性の高いジャンルです。最初は聞いたこともない専門用語が連発でパンクしそうになるかもしれません。でも大丈夫。コツコツと勉強を継続していけば知識も定着し、資格合格は達成できます!
測量士補は独学で合格できる
勉強から数十年も離れており、独学での資格挑戦は初めてです。数学なんて四則演算がやっとのレベル(算数でとまってる)で分数の計算すらあやしい。そんな誰よりも劣った状態からスタートしたわたしでも、独学合格できました。
数学が苦手でも合格できる
過去問をすすめていくと計算問題がとけず
「三角関数?ナニソレ…まったく覚えてない。数学を基礎から勉強しなきゃ…」
と、焦ってしまいます。
ですが焦る必要はありません。なぜなら覚える公式は決まっており、数も多くはありません。周回するごとに頻出問題がわかってきます。数をこなしましょう。
なお、測量士補試験は文章と計算問題に分かれていますが、得点源は計算問題です。避けては通れないとも言えます。
勉強期間は約3ヶ月
まったく無知の状態からでも約3ヶ月(1日1~2時間)で合格レベルに達しました。
わたしの場合、最初の壁は問題がわからない以前に勉強が続かない(机にじっとしていられない)ことでした。そりゃそうです。学校を卒業して以来ろくに勉強していません。
まずは勉強を習慣づけることから始めました。
勉強継続のコツは習慣化すること
日頃から勉強に触れていないと、まず継続することがムズカシイと思います。
昨日はテンション高めでできたのに「今日は疲れたからいいかな…」とサボってしまう。
昨日アレだけ頑張ったんだし、今日1日くらいサボっても大丈夫でしょ!(マンガみて動画みて…以下略)
あっというまにサボり癖がついてしまいます。
勉強継続のコツはモチベーションに頼らず習慣化すること。気分がのらない日でも、
- 1問だけ解いてみる
- 少し勉強動画をみるだけ
これでもか!というくらいの低いハードルを設定しましょう。3分だけでいいので無の心でやります。意外とそのまま2問・3問と続くことがあります。最初の頃は専門用語も初耳だったりするので、動画をみる(きく)だけでも勉強になりますよ。
また、勉強場所を適度に変えることも効果的です。普段、自室で勉強しているのであれば「リビング」「図書館」「お気に入りの喫茶店」など。とくに外は周りの目もあってか、思いのほか勉強に集中できるのでお試しあれ。
測量士補の勉強方法
勉強方法や、行きづまったとき参考にした書籍・動画・WEBサイトを説明します。
過去の試験問題をとく
1度本試験の問題に挑戦しましょう。どの程度の難易度なのか確認するためです。
直近5年分の問題・解答は、国土地理院からダウンロードできます。
測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例
(リンク先は国土地理院の公式ページです)
最初はわからなくてOKです。わたしは1問もとけなかった
これから登る山の高さを確認しましょう。
インプット:参考書を1冊買ってサクっと最後までよむ
参考書はなんでもかまいません。測量士補の参考書は書店でも扱っているところが多いです。立ち読みでパラパラめくってみるのも良いかと思います。
インプットで重要なことはサクっと最後まで読みきることです。理解できなくてもOK。細かくノートをとったところで、まず覚えていないでしょう。
アウトプットのときに「あ、なんとなくみたことがある用語だな」くらいで十分です。
「数学が苦手」な人にオススメの書籍を紹介します。
わたしは基本的な数学すら絶望レベルだったのでこの書籍はたいへん助かりました。「こんな初歩から説明してくれるの?!」というくらい丁寧に解説してくれています。
アウトプット:ひたすら過去問!過去問を5年分を5周以上する
過去問を解きまくることが合格への王道ルート。測量士補は過去問の使いまわしが多いのが特徴です。
過去問はコレ1冊でOK。類似した過去問を抜粋し、連続して出題してくれています。1ページ目からこなす必要はなく、自分が解きやすい問題からでOKです。わたしは水準測量から手をつけました(理解しやすい)
ページ上に□チェック項目が並んでいますので、
- ×:まったく理解できない。
え、日本語? - △:なんとなく理解できた
- ✓:完璧
といった具合にチェックしていき、息をするように解ける問題はページ自体に大きく×をつけました。難問でも5周する頃には「✓もしくは△」がつくかと思います。焦らず周回しましょう。
なお、アウトプットで重要なことは自分が理解しやすい方法で学ぶこと。参考書でもYouTubeでもよいです。アウトプット→インプットをいったりきたりしましょう。
わからないところはYouTubeをみながら
参考書(文字)だけでは理解できないことが多々でてきます。計算問題がよい例です。
そんなときはYouTubeをぜひ活用しましょう。
オススメチャンネル:測量士・補合格
身近なものに例えて非常にわかりやすく説明してくれています。合格したのはこの方のおかげと言っても過言ではない。そのくらいの優良動画を配信されています。とくに計算問題のアプローチが上手で参考になります。
余談ですが、動画をストレスなく見たいためにYouTubeプレミアムに登録しました。
広告が非表示になり勉強に集中できます。時期によって無料期間もつきます。YouTubeプレミアム、ホントにオススメ(業者ではありません)
ただし、動画が快適にみられるようになるため、脱線に注意!「あなたへのオススメ動画」が柴犬だらけになっていました
WEBサイトを活用する
総仕上げに利用したサイトを紹介します。
オススメサイト:測量士補 試験対策WEB
ある程度、過去問をとけるようになってからで良いと思います。解説もつけてくれていますが、途中過程の計算式などが理解できないことがありました。
過去の試験問題もあり、アーカイブが非常に充実しています。国土地理院は5年分なので、それより古い問題は参考にしました。
また、「WEB○×テスト」は文章問題の総仕上げには非常に良いですね。ただし、あくまで総仕上げ。最初から挑戦すると「解けた=理解した」と勘違いしてしまい、知識が定着しない危険性があります。
勉強中は計算機をつかう
測量士補試験は「本試験で計算機はつかえません。」なので、計算問題はひっ算で解くことになります。ただし、勉強中もひっ算だと時間がもったいないので、
- 最初はひっ算で解き、計算の感覚を思い出す
- 計算になれてきたら計算機を使う
- 模擬テスト(過去の試験問題)や、本試験10日前くらいからひっ算で解く
この流れをオススメします。
また、模擬テストは紙へ印刷して解きましょう。紙で解くことにより本番と近いイメージで取り組むことができます。(※地図編集の問題は紙でしか解けません)
お気に入りの文具をみつける
お気に入りの文具をさわるとそれだけで楽しくなりませんか?「ペンが触りたい」がために勉強するようになりましょう。わたしが今でも愛用しているオススメの文具を紹介します。
フリクションボールペン
- 木目調がお気に入り
- 0.5mmが使い心地◎
- 頭のパーツでこすると消える
- 車内など高温下におくと文字が消える可能性があり
- ちょっと重い
シャープペンシル
- 驚くほど芯が折れない
- 書き心地がたまらない
- 本体の色が微妙(4色あり)
ブッククリップ(開いたページをとめる)
- 開いたページを保持してくれる
- 同じ系統を何個か買ったけど結局コレ
- シンプル
- 本を傷つけにくい加工あり
- 少し大きくて重い
直定規(20cm)
- 本試験でも使用頻度は高い
- 地図編集でとくに重要
- 10cmはダメ(A4サイズの用紙に対して、端まで直線を書けない)
- 30cmでも可
- 角度付きは本試験NG
通信講座は必要?
個人的な意見ですが
- 通信講座は受けなくても独学合格できる
- ただし、勉強期間やお財布によっては受けても良い
と感じています。
独学経験者として
- 独学は不安がつきまとう
- 過去問を繰り返しても「ここまでやれば大丈夫」という判断が難しい(出題範囲が広い)
- ペース配分がわからない
- 難問から抜け出しにくい
このあたりの悩みはつきものです。
実はこの記事を書いている今、測量士の資格へ挑戦しており「アガルート」の通信講座を受けています。アガルートメインでの通信講座のメリット・デメリットになってしまいますが、率直に感想を書いていきます。
通信講座(アガルート)のデメリット
独学より高額になる
独学の費用は書籍と動画(YouTube)5,000円切るくらいでしょうか。(文具代は含めません)
通信講座は内容にもよりますが、数万~かかります。
唯一のデメリットがコレ。
通信講座(アガルート)のメリット
重要箇所を凝縮したオリジナルテキスト・オンライン映像(質問も可)
測量士補といえど出題範囲は広いです。過去問を周回すれば、頻出問題や「ココを重要視しているんだな」といった箇所もみえてきますが、その分時間を要します。
通信講座はメリハリ良くテキストや講義が組まれており、迷うことなく勉強ができます。トータルで考えると勉強時間の短縮になりコスパが良いといえます。質問もでき、同受講者の仲間もいるため、メンタルも整いやすいです。
思ったより高くない、かも?
通信講座=高額といったイメージがあります。「測量士補のみ講座」は思ったより高くはないと感じました。測量士補は土地家屋調査士との「ダブルライセンス講座」もあります。
資格手当でペイできちゃう
フルカラーテキストの測量士補講座
※測量士補のみは、リンク先のページ下部から申込みできます。
無料で試して判断するのもよい
ぶっちゃけ講師の合う合わないもありますし、無料請求で講座を体験してみても良いと思いますね。アガルートでは講義動画を一部無料で公開しています。
わたしはアガルート中山講師メインの講座を受けていますが、喋り方に癖がなく、倍速でも聞き取りやすく好印象です。(動画スピードは8段階で調整できます)
また、オンライン映像はパソコンでもスマホでもみることができるのが大きいです。自宅ではパソコン、出先ではスマホといったことも可能です。
迷っているならオススメしますよ。
補足:公式っぽいとこの通信講座について
某所でeラーニング講座をやっておりますがいらないです。使ったことがあるので断言しますが、難解でわかりづらい。模擬問題も微妙で、過去問周回や上記のYouTubeの方がはるかに有益です。
試験前日・当日について
試験前日・当日について経験談をお話します。
当日については後悔したこともありますので、ぜひ確認してください。
試験前日について
緊張していると思いますが、無理につめこまず普段どおり過ごすことをオススメします。
- 直前につめこんでも知識は定着しない
- 過去問は軽く振り返る程度
- 筆記用具、受験票の確認
- 睡眠をしっかりとる
- おいしいご飯屋さんで食事
(わたしは遠方だったのでご当地ご飯をたべました)
試験当日について
自分との戦いと心得ましょう。焦る気持ちは痛いほどわかります!
わたしは腹痛とも戦いました。
[失敗談]問題用紙を持ちかえることができなかった
令和4年の受験では、退出可能時間で退出すると問題用紙を持ちかえれませんでした。持ち帰れない理由は「不正対策」の一環です。
令和5年以降どうなるかわかりませんが、自己採点目的であれば試験終了時間まで退出しないことをオススメします。試験管からおそらく説明があるかと思います。合格発表まで期間が空くため、わたしはソワソワしっぱなしでした。
ちなみに、試験当日の夕方頃には解答速報をだしている通信講座がみつかります。googleで検索するとすぐに出ます。
退出可能時間になっても焦らない
退出可能時間になると解きおえた人が退出していきます。が、焦る必要はありません。
「退出された人とあなたは無関係です」
測量士補試験の合格率は約3割です。半分以上の人は不合格になるとも言えます。気になるようであれば「途中退出した人は歯が立たなくて帰ったんだなー」くらいに思っときましょう。
また、測量士補試験で時間が足りなくなることは、ほぼありません。時間に余裕があるため、
- 計算問題を別の方法でといてみる(例:求積問題を座標法でとく→図形でもとく)
- 誤っている・正しいもの、を読み違えていないか
といったチェックは必須です。総問題数が多くないため、1問のミスが致命傷になりえます。ケアレスミスに気をつけましょう。
まとめ
以上、測量士補に独学で合格した方法を紹介しました。長々と説明しましたが、
- 過去問を解く
- アウトプット→インプットをくりかえす
- 勉強を継続する
この3点がとくに重要です。
初学者は不慣れな専門用語に戸惑うかもしれませんが、継続してコツコツと勉強すれば合格はむずかしくありません。
この記事を書いているわたしは今、測量士の資格へ挑戦しています。少し基礎はついていますが、同じ受験生の立場です。一緒に合格をめざして頑張っていきましょう。